スクラッチの「右に15度回す」ブロック
スプライトのは、指定した数値だけ右周りでスプライトを回転させるブロックです
1. 正の整数を設定して動かす

まずは、をスクリプトエリアへ置きます。
スプライトリストにあるスクラッチキャットのをクリックして向きを確認すると「90」度で右向きになっているのが確認できます。
先ほど置いたブロックをクリックすると右周りで15度回転します。スプライト情報の角度を確認すると90+15=105度になっているのが分かります。
次は、設定値を「15」から「50」に変更してクリックすると右周りで50度回転します。こちらも現在の角度を確認すると105+50=155度となっています。
このようには、「15」や「50」といった正の整数を設定した場合スプライトを右回りに回転させます。
尚、設定値は全角数字は入力することができませんので、必ず半角モードで入力するようにしましょう。
2. 負の整数を設定して動かす

続いて、「-15」や「-50」といった負の整数を設定した場合にどのように動くか確認してみましょう。
をスクリプトエリアへ置きます。
スクラッチキャットの向きが「90」度で右向きになっているのを確認します。
そして、設定値を「15」から「-15」に変更してクリックしてどのように回転するのかを確認しましょう。
「-15」の負の整数を設定してクリックするとスクラッチキャットが反対の左周りで15度回転しました。向きも90-15=75度となっています。
次に「-50」に変更してクリックしてみても同じように左回りで回転します。こちらも向きを確認すると75-50=25度となっています。
このようには、「-15」や「-50」といった負の整数を設定した場合スプライトを左回りに回転させます。
3. 少数を設定して動かす

ここまで整数を設定してどのように動くか確認してきましたが、次は「0.1」や「-0.3」といった少数を設定したらどのように動くのかをチェックしていきます。
これまでと同じようにをスクリプトエリアへ置き、「0.1」を設定してクリックしてみましょう。
するとスプライト情報の向きが「0」のままになっています。一見動いていないように見えますが、何度かブロックをクリックすると向きが「1」になりスクラッチキャットが動くのが確認できます。
「0.5」を設定すると2回クリックで右回りに1度回転します。これは0.5度の2回分なのでちょうど1度分回転したことになります。
「-0.1」や「-0.5」といった負の少数でも、クリックしていくと左回りに回転しますので、少数でも設定可能であることが分かります。
4. 向きの表示を確認する
ここまでは、が正の値で右回り、負の値で左回りに回転することが分かりましたが、実際にプログラミングする中で「あれ?今スプライトの角度は何度?」と分からなくなることがありませんか?
その原因として向きの表示方法にあります。
例えば、0度から90度ずつ右回りに回転させると「0→90→180→270→360」と表示されると思いがちですが実際の表示は「0→90→180→-90→0」となります。
このように向きが180度を超えるとマイナスの数値になってしまいます。

スクラッチでは、向きの表示方法を上記のように0度から右へ180までを正の角度、0度から左へ180までを負の角度で現します。
例えば向き90度から180度回転させると270度になりますが、スクラッチの向きは-90度と表示されます。
の▼をクリックすると「(90)右」「(-90)左」「(0)上」「(180)下」が選択できるように、真上が0度、右が90度、真下が180度、左が-90度と覚えておきましょう。
5. 動きスクリプト:「右に15度回す」ブロックの解説
の解説については、スクラッチのプロジェクトで公開しています。どのように動くのか実際に確認してみましょう。
6. よく利用されるプログラミング事例
こちらではを使った、プログラミングの事例を紹介します。
6-1. 車のタイヤを回す

車のタイヤを回すには、常に回転させることがポイントになります。

プログラミングの内容は、の中に
を入れるシンプルなプログラムです。
こちらのスクリプトを実行するとずっと右回りに30度回転してタイヤが動いているように見えます。
車を使ったカーレースなどでは、タイヤを回してリアリティを求めるゲームもあります。
6-2. 矢印キーで車を動かせながらタイヤを回す

こちらは車を動かしながらタイヤを回すプログラミングになりますが、車とタイヤを同時に動かすことがポイントです。

スプライトは「車」の車体と「タイヤ」の前輪・後輪の合わせて3つになります。それぞれのプログラミングの内容を見ていくと、「車」スプライトのプログラムは、、
をくっつけたものが2つあります。
1つは、右向き矢印キーが押されたときにx座標を10ずつ変えるプログラムで、もう1つ左向き矢印キーが押されたときにx座標を-10ずつ変えるプログラムとなっています。
これで車の車体が左右矢印キーで動きます。
次に「タイヤ(前輪・後輪)」のスプライトのプログラムを見ると両方とも同じプログラミング内容となっています。
こちらでは、、
、
をくっつけたものが2つあります。
1つは、右向き矢印キーが押されたときに右に30度回転しながらx座標を10ずつ変えるプログラムで、もう1つ左向き矢印キーが押されたときに右に-30度回転しながらx座標を-10ずつ変えるプログラムとなっています。
つまり右向き矢印キーを押すと右回りの回転、左向き矢印キーを押すと左回りの回転となり、車が前進したり後進したりするのが分かります。
6. 動きブロック一覧
こちらは動きブロックの一覧に14個のスタックブロックと3個の値ブロックの計17個のブロックが用意されています。ブロックの色は青色で統一されています。